士幌町・古田牧場/株式会社Monokuro-Brown様からご依頼を受け、古田牧場の牛乳でつくるアイスクリームのコンセプト設計、パッケージデザイン、パンフレットデザイン、素材撮影を担当しました。
このプロジェクトにおいて最も大切にしたのは、古田さんの「牛さんへの感謝の気持ちを、遠くの誰かにも伝えたい」という想いを、形にすることでした。
今日もまた牛を愛そう
新商品の開発にあたり、生まれたばかりのアイスクリームにどんな想いを込めて呼ぶべきか。試行錯誤の末に提案したのが少しユニークなこの言葉、「今日もまた牛を愛そう」です。一見すると商品名らしからぬフレーズですが、実はここに古田さんの酪農家としての思いを凝縮しました。
「今日もまた牛を愛そう」というネーミングには「牛に深い愛情と感謝の気持ちを持ち続けよう」という願いが込められています。朝から晩まで牛たちの世話をし、牛乳を分けてもらっている古田さんご夫婦は、日々“牛を愛する”ことを欠かしません。その当たり前だけれど尊い気持ちを、アイスクリームを手に取る消費者の方々にも感じてほしい。そんな想いを言葉にしたのがこの名前でした。

ネーミングの提案当初、古田さんは「少し変わっているかな?」という反応でした。しかし制作チームと対話を重ねる中で、「だからこそ心に残り、想いが伝わるはず」と次第にその意味を深く理解し、共感してくださいました。古田さんご夫妻と私たち制作チームは、この名前に込めたメッセージを大切に育て上げ、商品コンセプトの核として共有していきました。こうして生まれた「今日もまた牛を愛そう」という名前は、牧場からお客様へのメッセージとなり、すべての人の合言葉にもなっていくことを願っています。

パッケージデザイン
パッケージデザインのコンセプトは、「牛さんからの届け物」。牛たちから私たちへの贈り物であるアイスクリーム。そのイメージを形にするために、日本の伝統的な水引のモチーフをパッケージにあしらいました。
水引の結び目は古来より「ご縁を結ぶ」「贈り物を包む」意味を持ちます。白と赤の水引模様をそっとカップにデザインすることで、「これは牛さん達から託された贈り物なんだよ」と語りかけるような温もりを表現しています。手に取った瞬間、大切な誰かからプレゼントを受け取ったような嬉しさを感じてもらえたら、そんな願いが込められています。

アイスクリームやソフトクリームのフレーバー展開
古田牧場では、搾りたて牛乳の風味を活かしたプレーン(ミルク)味に加え、士幌町ならではの素材を使った多彩なフレーバーを展開しました。優しい甘さのジャガイモ、爽やかな酸味のシーベリー、華やかな香りのハスカップなど、季節と地域が育んだ5種類の味わいがラインナップされています。
それぞれのフレーバーに合わせてパッケージの差し色やイラストにも変化をつけ、例えばジャガイモならば土の恵みを感じるあたたかなベージュ、シーベリーなら実の鮮やかなオレンジ、ハスカップなら深い紫色というように地域素材の彩りをデザインに取り入れました。見るだけでどんな味か想像が膨らみ、士幌の豊かな自然を感じられるパッケージは、アイスのおいしさを引き立てると同時に「この土地ならでは」の特別感を演出しています。

パンフレットデザイン


クラウドファンディングの伴走
商品を発売するにあたり、クラウドファンディングの実施の伴走支援も行いました。文章の校正、リターン内容の相談などを行っております。

現在、士幌町の道の駅「ピア21しほろ」や士幌町ふるさと納税で販売を行なっております。ぜひ見かけた際はお手に取ってみてください!
- MEMBER
Producer:野澤一盛
ArtDirector:名塚ちひろ
Director:高橋りう
Designer:吉岡芽映
Photographer:清田千裕
- CLIENT
古田牧場(株式会社Monokuro-Brown)
-RELEASE
2024